データでは見えない本音を引き出し、次の打ち手に変える。「まるっと座談会」に込められた想いは、どのようにして生まれたのか。RiVA代表・吉田龍太郎が、創業から100件以上の現場経験から見えてきたこと、そしてこれから目指す未来について語ります。
吉田 龍太郎(よしだ りゅうたろう) RiVA株式会社 代表取締役
2020年9月にRiVA株式会社を創業。ファンマーケティング領域でのイベント企画・プロデュースを軸に、5年間で100件以上のファンイベント・座談会を手がける。ファンマーケティング支援企業のコンサルタント、大学客員講師なども経験。
まるっと座談会をはじめたきっかけとは
2020年9月、コロナ禍の真っ只中でRiVA株式会社を創業しました。学生時代からイベントの企画制作には携わっており、RiVAではとりわけファンマーケティング領域に注力し、企業やブランドのファンづくりをイベントを軸にご支援してきました。
この5年間で、ありがたいことに100件以上のファンイベント、とりわけファンと企業ブランドが対話する座談会やファンミーティングの場をご一緒させていただきました。
この経験を基に生まれたのが「まるっと座談会」です。ファンとブランドの対話はもちろん、組織の中の対話、地域の中の対話まで、リアルな声が生まれる場を、さまざまな領域で作っていきたい。そんな思いを込めたサービスです。
「座談会」という形式にこだわった理由
創業当時は、対話や交流がオンラインでしかできない状況でした。それでも、オンラインファンミーティングを通じて熱量の高いファンの方々と「このブランドのここが好き」「もっとこうしてほしい」と語り合える場には、確かな価値があると感じていました。
そして同時に、担当者の方々からは「ファンの生の声をこんなに直接聞ける場は、実はこれまでほとんどなかった。本当に貴重でした」というお声を沢山いただきました。ブランド担当者だからといって、日常的にファンと深く対話する機会があるわけではない。その事実に、私自身も気づかされたんです。
そして、コロナが明けてリアルな場での対話が可能になったとき、そこでの熱量や盛り上がりのエネルギーは、唯一無二のものだと確信したんです。
「ブランドのことをもっと良くしたい」という思いを持って集まってくれた人たちの声を聞きたい、引き出したい、ディスカッションしたい。あの場で生まれる共鳴は、オンラインでは代替できない。こういう熱量のある場をもっと増やしていきたい。それが、座談会に注力することを決めた理由です。
100件の経験から見えてきた、座談会“設計”の難しさ
一見すると、座談会は「人を集めて話す場を作ればいい」と思われがちです。正直、自分自身もそう思っていた時期がありました。しかし実際にやってみると、座談会は"設計"こそが決定的に重要だと気づいたんです。
- 【目的・ゴール設計】
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- ・そもそも、何のために座談会を行うのか
- ・どんなアウトプットが得られれば「成功」と言えるのか
- 【場づくり・コンテンツ設計】
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- ・ゴールに辿り着くために、どんなトークテーマを設定するか
- ・参加者が話しやすくなる問いかけは、どういうものか
- ・本音を引き出すために、どんな補足資料やツール、アイテムを用意するか
- 【進行設計】
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- ・タイムテーブルの配分をどうするか
- ・ファシリテーターが熱量を引き出すには、どんな立ち回りが必要か
突き詰めるほど、気を配るべき要素は無数にあります。しかも、これらすべてが目的次第で変わる。イベントとしてはシンプルに見えながらも、実は変数が多く、突き詰めれば突き詰めるほど奥が深い世界なんです。そして、こうした座談会設計のノウハウは、世の中ではまだ体系化されていないのが現状です。
100件の経験を通じて見えてきたこの設計知見をサービスとして型化していきたい。属人的な経験則ではなく、再現性のあるメソッドとして企業にお届けしたいと考えています。
“場を作って終わり”にしないために。ある担当者の声から
まるっと座談会で、私たちがとりわけこだわっていきたいのは「場を作って終わりにしない」ということです。場を作り、本音やリアルな声に耳を傾け、そして、それらを活かしてどんな打ち手を作っていくか。そこまでたどり着いている企業は、まだまだ少ないと感じています。
あるクライアントの担当者さんとのエピソードがあります。
その方は、社内の開発担当者と一緒に座談会に参加されました。開発担当の方々は、ファンの熱量の高さに驚き、「こんなに自分たちのブランドを愛してくれている人たちがいるんだ」と、大きなモチベーションに繋がったそうです。また、製品を日常的に使ってくださっているからこそ出てくる「もっとこうしてほしい」というリアルなフィードバックも、非常に有意義だったと話してくださいました。
ところが、座談会開催からしばらく経った頃、担当者さんが「社内の他部署や決裁者、経営層に『ファンの声は大事だ』という実感をうまく伝えていくにはまだ課題がある」、そう振り返られているのを後にSNSで目にしました。
それは、なぜか。背景にはさまざまな要因があったと思いますが、私自身が振り返って感じたのは、座談会で得られた声を「次の打ち手」としての示唆の形にまで整えてお渡しできていれば、担当者さんが社内で動かれる際の支えになれたかもしれない、ということでした。データとして可視化する、今後どうしていくべきかという仮説にまで踏み込む。そこまでを伴走できていなかったのは、私たちの課題だったと感じています。
この経験を経て、座談会で生まれた声を、次のアクションに繋がる形にまで整える。そこまでをご一緒することが、まるっと座談会として提供できる価値なのだと、改めて確信したんです。
だからまるっと座談会では、声の可視化、レポート化、次の打ち手の示唆まで、AIを活用しながら伴走していきます。“場を作って終わり”ではなく、その先までをワンストップでお届けする。「対話から生まれた声をもとに、組織やブランドをより良くしていく」という企業風土・カルチャーを、クライアントの皆さまと一緒に作っていきたいと思っています。
AI時代だからこそ、“人と人との対話”の価値は高まる
「生の声を大事にする」という発想は、AI時代の流れと逆行しているように見えるかもしれません。でも、私はむしろ逆だと思っています。
まるっと座談会の中でも、AIは重要な役割を担っています。集まった声を分析し、可視化し、次の打ち手への示唆を導き出す。こうしたプロセスは、AIの力によって大きく加速しています。これによってアウトプットの質もスピードも進化し、結果として、コストを抑えながら、より質の高いサービスをクライアントの皆さまにお届けできるようになりました。
そしてAIによって効率化が進んだぶん、人にしかできないことに、私たちはこれまで以上に時間と心を注げるようになっています。リアルな場で対話し、熱量を引き出し、その場でしか生まれない共鳴を作り出す。こうした"人と人との対話"が持つ価値は、AI時代だからこそ、これからむしろ高まっていく。私はそう感じています。
ファンマーケティングの枠を超えて。HR、SaaS、教育、地方創生へ
これまでファンマーケティング領域でご一緒させていただいてきたクライアントの皆さまとは、これからもファンと企業の対話の場を作り続けていきたいと思っています。それは私たちの原点であり、変わらず大切にしていく領域です。
その上で、AI時代だからこそ対話の価値はむしろ高まっていく。そう信じているからこそ、「まるっと座談会」を、ファンマーケティングを超えたさまざまな領域に広げていきたいと考えています。
- 【HR・組織開発】社員の本音を引き出し、組織づくりに活かす
- 【SaaS・カスタマーサクセス】ユーザーの声をプロダクト改善と継続利用に繋げる
- 【教育】学生・保護者・教員の声から、学びの場をより良くする
- 【地方創生・まちづくり】行政と住民が対話し、地域の未来を共に描く
それぞれの領域で、「人と人とが対話する場」が持つ価値は共通しています。集まった声を可視化し、次の打ち手に繋げていく。この型は、ファンマーケティングで培ってきたノウハウを応用できる部分が多いと感じています。もちろん、領域ごとに固有の文脈や難しさはありますから、皆さまから学ばせていただきながら、一緒に設計していけたらと思っています。
マーケティングの枠を超えて、企業づくりにも、まちづくりにも貢献していく。“座談会から、日本を元気にしていく。”そのくらいの志を持って、これからも一歩ずつ歩んでいきたいと思っています。